お客さんの言った通りに作るのは、たぶん仕事じゃない
お客様から「この機能を作りたい」と言われたとき、そのまま作れば一番話は早いです。
でも、自分はそこですぐに作り始めるのが苦手です。なんで?と聞きたくなります。
要望と問題は、普通に違う
「AIを入れたい」「検索を良くしたい」「管理画面を作りたい」。こういう相談はよくあります。でも、その言葉は解決策であって、問題そのものではないことがあります。
例えば「AIで問い合わせ対応を自動化したい」という話でも、本当に困っているのが回答を書く時間なのか、担当者によって答えが違うことなのか、過去の回答を探せないことなのかで、作るものは変わります。
ここを飛ばして「AIですね、作りましょう」と進むと、ちゃんと動くけど役に立たないものができます。技術的には成功、事業的には知らん。これは避けたいです。
自分は昔から、答えより理由が気になる
これは会社の営業手法というより、自分の思考の癖に近い気がします。何か問題があると、表面の現象より「なんでこうなっているのか」を掘る方です。
システム開発でも同じで、画面や機能の話を聞いていても、その裏の業務や判断を知りたくなります。誰が使うのか。今はどうしているのか。どこで止まるのか。代わりに何を使っているのか。
そこまで聞くの?と思われることもあるかもしれません。でも、ここを分からないまま作ると、目の前の要望には応えていても、全体ではお客様の利益を削ることがあります。だから掘ります。
要件定義は、仕様書を作る仕事ではないと思っている
要件定義という言葉は少し堅いですが、自分の中では「何を作るかを決める作業」より、「何を解決するかを一緒に決める作業」に近いです。
お客様自身も、最初から問題を完璧に言葉にできるわけではありません。現場では当たり前になりすぎて、どこが不便なのか説明できないこともあります。
だから会話しながら、実際の資料や業務を見ながら、問題を一緒にほどいていきます。
作らない方がいいなら、作らなくていい
この考え方を突き詰めると、少し変な開発会社になります。
既存のサービスで十分なら、それを使えばいい。表計算で解決するなら、それでもいい。運用を変えるだけで済むなら、システムを増やさなくてもいい。
開発会社なのに作らない。商売どうした。とは思いますが、そっちの方がお客様の利益が大きいなら、それが正解です。
自分たちが売りたいものではなく、お客様の利益を最大化するところから考える。その結果として開発が必要なら、そこで初めて作る。
結局、自分がやりたいのは御用聞きではなく、一緒に問題を定義して、全体として一番利益が出る解き方を探す仕事なんだと思います。