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システムを作る会社ではなく、人と会社を強くする会社へ

Beekleはシステム開発会社です。AIを使った仕組みも作りますし、業務システムも作ります。

でも最近、自分が最終的に作りたいものはシステムそのものじゃないな、と思っています。じゃあ何屋なんだ。という話ですが、たぶん「人と会社が自分で問題を解けて、結果を出せる状態」を作りたいんだと思います。

自分は、ずっと問題を分解してきた

これまで営業、事業づくり、開発、経営をやってきて、何かうまくいかないと原因を分解する癖がつきました。

売上が足りないなら、問い合わせが少ないのか、商談にならないのか、受注しないのか。開発が遅いなら、実装が遅いのか、要求が曖昧なのか、確認で手戻りしているのか。

一個ずつ分けると、次にやることが見えます。でも、そのやり方が自分の頭の中だけにあると、結局また自分が問題を解くことになります。

自分の成長を、会社の成長に変えたい

会社をやっていると、自分で問題を解くたびに、自分自身は少しずつ学んでいきます。次に似たことが起きたときは、前より早く気づけるようになります。

でも、その学びが自分の中だけに残っていたら、会社はどれだけ強くなったんだろう。と思うようになりました。

そこで最近は、判断の基準、過去の失敗、仕事の進め方を、できるだけソフトウェアや記録へ移すようにしています。

自分たちで作っているPM on Railsもその一つです。何を実現したいか、利用者は何をしたいか、どんな場面で動けば正しいか、実際に動いたかをつないで残します。

でも、社長のレベルが低くていいとは全く思っていない

ここは結構大事です。「経営者なんだから、自分でできなくても人に任せればいい」という話をよく聞きますが、自分はあまりそう思っていません。

少なくとも、自分の周りで本当にレベルが高いと思う経営者は、普通にいろんなことができます。営業も分かる。数字も読める。技術の話もできる。マーケティングも理解している。しかも、一つだけ詳しいのではなく、複数の専門を持っている人が多いです。

任せるのと、分からないのは全然違う。

分からないまま任せると、何が良くて何が悪いのか判断できません。誰を採るべきかも分からない。報告を受けても、重要な異常なのかどうか分からない。ルールを作ろうとしても、現場のどこを標準化すれば効くのか見えません。

だから自分は、社長自身の解像度はかなり高くないといけないと思っています。

社長のレベルが、組織の上限になると思っている

これは学術的な法則として言っているわけではなく、自分が会社をやってきた実感と、周りの経営者を見ていて思うことです。

人は、かなり似た人と集まります。社長が何を面白いと思うか、どこまで細かく見るか、何を許さないか、どのくらい勉強するか。そういうものは、採用や評価や日々の会話を通じて普通に組織へ伝わります。

社長が低い基準で満足していたら、それ以上の基準を会社へ要求するのは難しいです。逆に、社長自身が高い水準を知っていれば、「ここまでは普通にできるよね」という基準自体を上げられます。

社長のレベルが、そのまま会社の天井になる部分はかなりある。自分はそう思っています。

だから「社長がいなくても回る会社」を作りたいからといって、社長が何もできなくていいとは全く思いません。むしろ、自分自身のレベルを上げ続けないと、組織へ渡せるもの自体が増えません。

その上で、社長は前に出続けない方がいい

ここが少しややこしいです。

自分でかなりできる。細かいところまで分かる。必要なら現場にも入れる。でも、毎回自分が現場で全部やるわけではない。

できるけど、やらない。こっちが大事だと思っています。

自分がやるべきなのは、誰かの代わりに毎回作業することではなく、同じ問題が二度起きないようにルールを作ることです。人が詰まる場所を見つけて、ボトルネックを潰す。判断に必要な情報が足りないなら見えるようにする。仕事が止まりやすいなら、止まったことが分かる仕組みにする。

表から見ると、何もしていないように見えることもあります。

でも実際には、人に見えないところの摩擦を潰して、全員が速く走れるレールを敷く。これが社長の仕事なんじゃないかなと思っています。

AIは、人の代わりより、人を強くする方に使いたい

AIの話をすると、どうしても「何人分の仕事を置き換えられるか」に寄りがちです。

もちろん、自動化できる仕事は減らした方がいいです。同じ情報を何度も入力したり、既にある記録を人間がもう一度まとめたりする必要はありません。

ただ、自分が面白いと思うのはその先です。

過去に似た失敗があったら教える。判断材料が足りなければ指摘する。社内のどこかに答えがあれば探してくる。人が問題を考えるときの補助線になる。

人間を消すより、人間の手札を増やしたい。こっちの方が自分は好きです。

強い会社は、優秀な人を集めるだけでもできない

もちろん、優秀な人は必要です。自分も採用するなら、できるだけレベルの高い人と働きたいです。

でも、個人の能力だけに依存すると、その人が抜けた瞬間に会社の能力も抜けます。

だから、誰か一人が全部覚えていなくても、会社として過去を覚えている。担当者が変わっても、なぜその判断をしたか分かる。失敗したら、次の人が同じ穴へ落ちにくくなる。

そういう状態を作れれば、個人の能力を組織の能力へ変えられます。

自分はこれを、単なる業務効率化だとは思っていません。高いレベルの人が持っている判断や知識を、組織全体へ配ることだと思っています。

システムは目的ではなく、結果を出すための器

だから、既存のサービスで十分なら無理に作らなくていいと思っています。表計算で解決できるなら、それでもいい。

作る意味があるのは、その会社にしかない仕事の仕方、判断、知識を仕組みとして残す必要があるときです。そして最終的には、それによって売上が伸びる、コストが下がる、判断が速くなる、顧客への価値が上がる、といった結果につながらないと意味がありません。

その意味では、Beekleが作りたいのは「便利な画面」より、会社が前より強くなって、結果を出せる仕組みなのかもしれません。

自分自身のレベルを上げる。そこで得た判断基準や知識を、人と仕組みに移す。人が動きやすいようにレールを敷く。そして、自分はまた次のボトルネックを探す。

最終的には、システムを納品して終わる会社ではなく、テクノロジーを使って、人と組織の上限そのものを引き上げ、お客さんの事業成果まで良くできる会社にしたいです。

たぶん、自分がBeekleで長くやりたいのはここなんだと思います。