人間は忘れる。だから、忘れても回る会社を作りたい
会社をやっていると、かなりの仕事が「誰かが覚えていること」に依存していると気づきます。
あの案件は来週連絡する。あの資料は更新が必要。あのお客様はこの条件を気にしていた。あの開発では昔こういう判断をした。
全部覚えてください、は普通に無理です。
仕事の記録は、すでに会社の中にある
不思議なのは、情報そのものが存在しないわけではないことです。社内チャットには会話が残り、共有資料には決定事項が残り、作業履歴には何を変更したかが残り、顧客管理には案件の状況が残っています。
なのに、人間が頭の中でそれらをつないで思い出さないと仕事が進まない。会社、記憶力テストだったのか。
そこで自分たちは、散らばった記録をAIに読ませて、止まっていることや抜けていることを見つけさせる方向へ少しずつ変えています。
日報も、人間に書き直させなくていい気がする
一日の仕事がすでに社内チャットや作業履歴へ残っているなら、最後に人間がもう一度「今日はこれをしました」と書き直すのは二重作業です。
だから、残っている記録からその日の仕事をまとめる仕組みも試しています。本人は内容を確認して、必要なら直せばいい。まだ書くの?と思ったのが出発点です。
これは日報を楽にするだけの話ではありません。仕事の記録が自然に残れば、後から「なぜこの判断をしたのか」を探しやすくなります。
AIに会社の記憶を持たせると、別の問題も出る
もちろん、AIに全部覚えさせれば終わりではありませんでした。
古い情報まで覚えていると、昨日は正しかった話を今日も正しいものとして出してくることがあります。記憶力が良ければいいわけではない。昔の話を全部覚えている人、場合によっては結構めんどい。
だから今は、何を覚えさせるかだけでなく、どの情報が最新なのか、いつ見直すべきなのか、どこから来た情報なのかまで考えています。
人間が人間らしくても壊れない会社へ
自分は、AIで人間を監視したいわけではありません。むしろ逆です。
人間は忘れるし、疲れるし、忙しい日は抜けます。それを毎回「もっと注意してください」で補うより、重要なことだけ仕組み側が拾ってくれた方がいい。
その分、人間はお客様と話したり、考えたり、判断したり、新しいことを試したりする方へ時間を使えます。
結局作りたいのは、記憶力が高い人だけが活躍できる会社ではなく、多少忘れても、ちゃんと前へ進める会社なんだと思います。