自社プロダクト PM on Rails

議事録から、作る範囲と完成の条件を決める。

PM on Railsは、Beekleが自社で作った、仕様駆動のプロジェクト管理AIエージェントです。Beekleの開発で毎日使っています。

概要

始める前に決めて、リリース前の「違う」を防ぐ。

多くのプロジェクトは、機能の一覧と金額だけを先に固めて始まります。現場の人は、完成間近まで画面を見ません。「順調です」と聞いていたのに、リリースしてみると業務で使えません。原因は、作る範囲と完成の条件を、始める前に決めていないことにあります。

PM on Railsに議事録を入れると、要望、まだ決まっていないこと、今回やらないことが分かれて表示されます。人が決めるのは、今回の範囲と優先順位です。決めたあとの質問づくり、回答の反映、進捗の更新は、AIが進めます。要件が書き換わるのは、人が確認したあとです。

Beekleに開発を依頼すると、この仕組みで進めます。お客さまが操作を覚える必要はありません。途中で止まった開発を引き継いだ案件でも、立て直しに使いました。

議事録1件から、PM on RailsにつないだClaude Codeがアプリを作るまでを、約50秒にまとめた動画です。アプリができていく場面はイメージで、それ以外は実際の画面です。音声はありません。

できること

PM on Railsでできること

議事録を入れてからアプリができるまでを、使う順に並べています。

議事録から要望を分ける
議事録を1件入れると、要望、まだ決まっていないこと、今回やらないことに分かれます。
今回の範囲を決める
要望を1件ずつカードにして、必須、重要、できれば、今回は見送りの4列に置いて決めます。
完成の条件を先に書く
機能ごとに、「どの場面で、何をすると、どうなるか」の形で完成の条件ができます。
決まっていないことを聞く
まだ決まっていないことを質問文にして、Slackで関係者に聞けます。
開発AIに同じ情報を渡す
Claude CodeやCodexなどのコードを書くAI(開発AI)が、要望の背景、完成の条件、今回やらないことを読んで実装します。
進み具合と遅れを見る
コードの変更が取り込まれると、作業と進捗に反映されます。遅れはグラフに出ます。
議事録を入れたあとの画面を、資料、要求カード、今回の範囲の確定、ストーリー、カンバンの順に開いていく動画です。音声はありません。

よくある課題

よくあるお客さまの課題

  • 機能リストはあるが、完成の条件が決まっていない
  • 要望は集まったが、今回やらないことを決められない
  • 「順調です」と聞いていたのに、リリースすると業務で使えない
  • 要望をあれもこれも入れた結果、現場が元の手順に戻ってしまう
  • 開発を任せきりにしていて、できたかどうかの判断がリリース直前になる

特長

PM on Railsの3つの特長

  1. 今回やらないことまで、始める前に決まる

    各部門の要望を全部載せると、要件は際限なく膨らみます。PM on Railsでは、今回やるものと見送るものを先に分けます。確定ボタンを押すまで、今回の約束にはなりません。

    あとから要望を足すときは、何を後回しにするかも同じ画面で決めます。変更の理由も残ります。

  2. 完成の条件を、作る前に合意できる

    作る前に、どうなれば完成かを書いておきます。リリース直前に「思っていたのと違う」と分かるのを、作る前の合意で防ぎます。

    開発AIも、同じ完成の条件を読んでから実装します。AIへの指示書を別に書く必要はありません。

  3. 決めたあとの管理は、AIが進める

    質問づくり、回答の反映、進捗の更新は、AIが進めます。要件が書き換わるのは、人が確認したあとです。コードの変更は作業とつながっているので、完了や状態の変化がそのまま進捗に出ます。

    「順調です」という報告を待たなくても、遅れはその週のうちにグラフで分かります。案件がいくつ並んでも、同じ画面で追えます。

比較

よくある進め方との違い

よくある進め方では、整理済みの情報を人がツールに登録します。PM on Railsは、議事録から始めます。

入力

よくある進め方

整理済みの機能リストを、人が登録する

PM on Rails

議事録から要望を分け、作る、作らないを人が決める

要件定義

よくある進め方

ヒアリングで固めて、文書を渡す

PM on Rails

決まっていないことを聞き、作らないことを先に決める

進捗管理

よくある進め方

書類の進捗率で判断する

PM on Rails

完成の条件とコードの変更で、動いているかを見る

AIでの実装

よくある進め方

機能リストとタスク名を渡す

PM on Rails

要望、完成の条件、作業のつながりを開発AIに渡す

事業側の関わり

よくある進め方

事業側は、完成するまで中身を確かめない

PM on Rails

事業側が完成の条件を読み、受け入れに参加できる

Beekleにできること

PM on Railsがあるから、Beekleにできること

情報の整理と作業の引き継ぎは、PM on Railsに任せています。人が担当するのは、判断とお客さまとの対話です。

  1. 担当者がお客さまと話す時間を取れる

    議事録の整理、質問の下書き、進捗の更新は、AIの担当です。担当者は空いた時間で、お客さまと話し、必要な機能を考えます。直すのも確かめるのも速いので、同じ期間でも、見せて直す回数を増やせます。

  2. 止まった開発を立て直せる

    引き継いだ開発で最初にするのは、決まっていないことの洗い出しです。今回の範囲を決めてから、開発を再開します。

    株式会社イデアラボの調査プラットフォーム

    完成に至らないまま長期化していた開発を引き継ぎ、要求を47件のカードに整理して範囲を確定させたうえで、約1か月で稼働状態まで持っていきました。

    2026年7月下旬に引き継ぎ、約1か月で稼働状態(継続中)

    事例を読む
  3. お客さまも進み具合を確かめられ、費用を下げられる

    お客さまは、AIに質問して進み具合を確かめられます。完成の条件に沿ったテストを一緒に行うと、Beekle側の工数が減り、その分だけ費用が下がります。Beekleに任せるか、ご自身も使うかは、案件ごとに決めます。

    株式会社イデアラボの案件

    お客さまと一緒に、進み具合の確認と、完成の条件に沿ったテストを行っています。

  4. AIが書いたコードは、テストの記録で確かめてから完了にする

    テストに通った記録がそろうまで、作業を完了にできません。AIがテストを消す、飛ばすなど7種類の書き換えは、コードの差分から検査しています。仕様を変えたら、古いテスト結果は合格として扱いません。

  5. お客さまのAIエージェントを、運用した経験から設計できる

    PM on Railsでは、AIが使える操作と、触ってよい範囲を権限で決めています。AIにどこまで任せ、どこで人が確かめるか。お客さまのAIエージェントも、自社で運用して分かったことをもとに設計します。

運用の規模

PM on Railsの規模

Beekleの開発では、PM on Railsに登録してある完成の条件を、開発AIが読んで実装しています。規模は次のとおりです。

開発AIが使える操作
151
権限の種類
25
バックエンドのテスト関数
7,171
完成の条件を書いたシナリオ
319件

PM on Railsのソースコードを、2026年8月にBeekleが数えた値です。

PM on Rails自体のテストも、PM on Railsに登録した完成の条件から作っています。名前にRailsと付いていますが、実装はFastAPIとNeo4jで、Ruby on Railsとは関係ありません。

技術的な詳細

何で作っているか

2026年8月時点の構成です。情報システム部門やエンジニアの方に向けて書いています。

バックエンド
Python 3.11とFastAPIで作っています。処理を4つの層に分け、時間のかかる処理は別のワーカーで実行します。
フロントエンド
Next.js 14、React 18、TypeScriptです。画面からAPIを呼ぶコードはAPIの定義から自動で作り、型のずれをCIで検知します。
データベース
要求から作業、テスト結果までの記録は、グラフデータベースのNeo4jに保存しています。意味の近い情報を探す検索にはMilvus、時間のかかる処理の受け渡しにはRedisを使っています。
検索
条件を指定する検索、全文検索、意味の近さで探す検索、関連する記録をたどる検索を組み合わせています。結果は1つの順位にまとめ、並べ直してから返します。
開発AIとの接続
MCPサーバを内蔵しています。Claude Codeなどから接続し、151の操作を使えます。
外部サービスとの連携
GitHub、Slack、Figmaと連携します。GitHubで変更が取り込まれると、対応する作業が完了になります。
テストと公開
統合テストは、実際のNeo4jを起動して実行します。公開するのは、CIに通った変更だけです。

セキュリティ対策

大手企業のセキュリティ審査を、基準にしています。

PM on Railsには、お客さまの要求、設計、テストの記録、関係者の情報が入ります。セキュリティの要件は、大手企業のセキュリティ審査に、実装と運用の証拠つきで回答できる水準を基準に決めています。認証の取得は、当面の目標にしていません。

参照している3つの基準

情報セキュリティ全般 ISO/IEC 27001:2022、ISO/IEC 27002:2022
情報資産、アクセス制御、秘密情報、暗号化、バックアップ、ログ、脆弱性管理、インシデント対応、委託先管理が対象です。
AIの管理体制 AI事業者ガイドライン 第1.2版(総務省・経済産業省)
AI機能の台帳、役割と責任、人による監督、利用者への説明、変更したときの再評価が対象です。
AIに固有のリスク CSA AI Controls Matrix v1.1、AI-CAIQ
プロンプトインジェクション、情報漏えい、権限を越えた操作、過剰なツール実行、AIが依存する外部サービスが対象です。

実装している対策

  1. お客さまごとにデータを分ける

    データは、お客さまごとのワークスペースに分けて保存しています。データを読み出すたびに、どのワークスペースのものかを照合し直します。権限のない人には、データがあること自体を見せません。

  2. 二段階認証でログインを守る

    ログインに二段階認証を使えます。認証の手段をなくしたときのために、安全に復旧する手順も用意済みです。

  3. AIが動ける範囲を権限で制限する

    開発AIは、発行したトークンで認証します。権限は25種類に分かれ、書き込みには編集者以上の権限が必要です。

  4. 文書ごとに見られる人を決める

    フォルダ、文書、議事録には、閲覧、編集、管理の3つの権限を設定できます。権限は上の階層のフォルダから引き継ぎ、検索結果にも同じ権限をかけています。

  5. 不正な命令文を通さない

    データベースへの問い合わせ文に使える名前は、あらかじめ決めた一覧にあるものだけです。一覧にできない識別子は、実行のたびに形式を検査します。

  6. AIが使う検索は読み取り専用にする

    AIが使う検索用の問い合わせは、読み取り専用です。実行時間と返す件数には上限があります。

  7. 認証情報を安全に保管する

    トークンの発行には、端末を認可する標準の手順(RFC 8628)を使います。認証情報は、利用者の端末にあるOSのキーチェーンに保存します。

  8. AIの提案は人が承認してから反映する

    不具合をもとに要件を直す案は、AIが作ります。人が承認するまで、その案は記録に反映されません。

Beekle全体のデータの扱いとセキュリティを見る

よくある質問

PM on Railsについて、よくいただく質問

PM on Railsとは何ですか?
PM on Railsとは、打ち合わせで話した内容を、開発でそのまま使える形に整理し続ける仕組みです。議事録から「まだ決まっていないこと」を洗い出して確認し、返ってきた答えを要件に反映します。「何ができたら完成か」という条件まで書くので、AIエージェントはその条件を読んで実装できます。もともとBeekle社内で回していた進め方を、AIエージェントで動くようにしました。Beekleの開発では現在も使っており、外部への提供は準備中です(pmonrails.com)。
PM on Railsは、一般的なプロジェクト管理ツールと何が違いますか?
一般的なタスク管理ツールが管理するのは、作業の進み具合です。PM on Railsが管理するのは、「なぜその作業をするのか」から「何ができたら完成か」までのつながりです。要望、決まった条件、作業、確認結果を、別々の文書に書き写さず、互いにひも付けて1か所で管理します。そのため、仕様が変わったときに、どの作業とどの確認に影響するかが分かります。
PM on Railsを自分たちで操作しなくても、依頼できますか?
できます。PM on Railsは、Beekleが開発を進めるために使う仕組みです。発注側に操作や学習をお願いするものではありません。お客さまにお渡しするのは、整理した要件と、画面で確認できる動くものです。
発注側もPM on Railsを使えますか?
はい。お客さまは、AIに質問して進み具合を確かめられます。完成の条件に沿ったテストを一緒に行うと、Beekle側の工数が減り、その分だけ費用が下がります。Beekleに任せるか、ご自身も使うかは、案件ごとに決めます。
PM on Railsを、自社の開発チームで使うことはできますか?
外部への提供は準備中です。公開サイト(pmonrails.com)で、ウェイティングリストへの登録を受け付けています。

ご相談

要件が決まる前から、相談できます。

要件書も予算も、まだなくてかまいません。初回の相談と、要件を伺って作る簡易デモまでは0円です。