AIで仕事が速くなりすぎたので、「あのとき何やったっけ?」を全部検索できるようにした
昔は、仕事で何をやったかをかなり覚えていました。
「あの案件でこういう話をした」「この機能はこういう理由で作った」「あの記事はこの仮説で直した」みたいなことも、わざわざ記録を探さなくても頭から出てきたんですよね。
なので、仕事のログをそこまで真面目に残していなくても、正直あまり困っていませんでした。
でも最近、さすがに無理になってきました。
AIで仕事が速くなりすぎたんですよね。
一つの仕事をしている間に、別のAIへ調査を頼んで、その横で別のAIにプログラムを直してもらって、自分はマーケティングの数字を見て、途中で別の問題を見つけたらまたそっちを直す。
これが普通に並行して動きます。
昔だったら一日かかっていたことも、AIに任せるとかなり短い時間で終わります。その間に人間は別の仕事ができるので、また次の仕事を始める。
なんか最近めちゃくちゃ忘れるな、と思ったんですが、たぶん記憶力が急に落ちたとかではないんですよね。
単純に仕事が流れる速度に、人間側がついていけなくなってきたんだと思うんですよね。
なので最近は、覚えておくのを諦めて、会社で何をやったかをできるだけ自動で残して、後からAIに探してもらうようにしています。
昔みたいに頭の中だけで管理するのは、さすがに厳しくなってきた
AIを使う前は、自分が直接やった仕事が中心なので、頭の中でもかなり追えました。
でも今は違います。
自分が記事を確認している間にも、別のAIがプログラムを直しています。さらに別のAIへ調査を頼んでいることもあります。
それが終わったら結果だけ確認して、また次の仕事を投げる。
そうすると夕方くらいに、
あれ、今日何やったっけ?
となることがあります。
昨日ですらない。
今日です。
これ、最初は自分の問題かなと思ったんですが、たぶん違うんですよね。
人間一人が処理する仕事量そのものが、AIによってかなり増えています。
しかも私は経営、営業、マーケティング、開発をかなり横断して見るので、仕事の種類まで頻繁に切り替わります。
だったら、全部覚えようとする方が無理があるなと思いました。
ここから、仕事を覚えるのではなく、仕事を検索できるようにする方向へ変えました。
まず、開発AIが何をしたかを勝手に残すようにした
最初に記録するようにしたのは、プログラムを作ったり修正したりする仕事です。
私は普段、Claude Code、Codex、Cursorという開発を手伝うAIを使っています。
Claude Codeで仕事が終わったら、その終了を検知して、何をやったかを自分のパソコンにある業務ログへ自動で追加するようにしました。
Codexも同じです。
Cursorも、自分のパソコン上で動いている作業については同じように記録します。
ここで大事なのは、俺が何もしなくていいことなんですよね。
仕事が終わった後に、「今の作業を記録する」というボタンを押す方式にはしていません。
俺、たぶん忘れるんですよね。
仕事を記録するための仕組みなのに、記録すること自体を忘れたら意味がありません。
なので、人間が真面目に記録する前提をやめて、普通に仕事をしていれば勝手に残るようにしました。
クラウド側のAIまで無理に同じ方法で追う必要はなかった
ただ、全部のAIが自分のパソコン上で動くわけではありません。
Cursorのクラウド側で動くAIのように、外側で仕事をするものもあります。
最初は、これも何か特別な方法で記録しないといけないかなと思いました。
でも、
いや、GitHub見ればよくない?
と思ったんですよね。
GitHubは、プログラムをいつ、どのように変更したのかを残しておく場所です。
クラウド側でAIが仕事をしても、最終的にプログラムを変更すれば、その結果はGitHubに残ります。
なら、わざわざ全部のAIを同じ方式で記録する必要はない。
結果が残っている場所から拾えばいいんですよね。
こういう仕組みを作っていると、全部きれいに統一したくなるんですが、別にそこは目的ではないんだと思います。
後から「何をしたか」が分かればいい。
なので、取れるところから取る形にしました。
一回仕事するたびにSlackへ送ったら、普通に邪魔になる
次に考えたのが、記録した内容をどこに集めるかです。
作業が終わるたびにSlackへ投稿することもできます。
でも、AIをかなり使っているので、一日に何回も仕事が終わります。
そのたびに、「修正しました」「テストしました」「また修正しました」と投稿されたら、普通にうるさいんですよね。
ずっと喋ってるな。
なので、日中は自分のパソコンの中にだけ貯めることにしました。
そして毎晩23時20分になったら、その日一日分の作業だけをまとめて、Slackの「業務ログ」という場所へ一回送ります。
これなら、普段の仕事を邪魔しません。
でも後から見れば、その日に何をしていたかはまとまって残っています。
しかも、この仕組みを入れるために、仕事で使っている各プロジェクト自体は変更していません。
日報を取るためだけに、すべての開発プロジェクトへ設定を追加するのも違う気がしたので、自分のパソコン全体で動く仕組みにしました。
23時30分になると、今度はChatGPTが一日を調べる
ただ、開発AIのログだけでは、その日の仕事全体は分かりません。
俺、プログラムだけやってるわけじゃないんですよね。
GitHubには開発の変更があります。
PM on Railsには、何を作ろうとしていて、どこまで進んでいるのかが残っています。
Google Driveには資料や議事録があります。
Slackには仕事上の会話があります。
ChatGPTにも、経営やマーケティングについて考えた記録が残っています。
なので、23時20分に開発の業務ログをまとめたあと、23時30分にChatGPT側で一日の仕事を整理するようにしました。
このときは一つのログだけではなく、複数の場所に残った仕事を合わせて見ます。
そこで、「今日何を進めたか」「何が終わったか」「何がまだ残っているか」「途中で判断が変わったものはあるか」みたいなことを整理させています。
つまり、人間が一日の終わりに記憶を頼りに日報を書くのではなくて、実際に残っている仕事の記録から、一日を後から組み立てる感じなんですよね。
最初は日報の自動化をしている感覚だったんですが、作ってみると日報自体はそんなに本質じゃない気がしてきました。
一番便利なのは「あのとき何やったっけ?」を検索できることだった
たとえばマーケティングです。
マーケティングの改善自体は、別にMarketing OSという仕組みで回しています。
検索からどれくらい人が来ているか。
どの記事が読まれているか。
問い合わせにつながっているか。
その問い合わせが商談や案件になっているか。
そういう数字はそっちで見ています。
なので、業務ログでマーケティングの数字を管理したいわけではないんですよね。
ただ、数字を見ていると、
この頃、何やったっけ?
というのが出てきます。
たとえば、あるページから問い合わせへ進む人が増えたとします。
数字が変わったこと自体はMarketing OSを見れば分かります。
でも、その少し前に、記事を書き直したのか。問い合わせへの導線を変えたのか。サービスページを修正したのか。
そこは仕事のログがあると探せます。
もちろん、「変更した後に数字が上がったから、この変更が原因です」とまでは言えません。
他の要因も普通にあります。
でも、当時何をしていたのかまで検索できると、分析するときの材料がかなり増えるんですよね。
「あのとき、こうしたよね」が残っているだけで、普通に便利です。
開発でも「なんでこうしたんだっけ?」が普通にある
これ、マーケティングだけではありません。
数カ月前に作った機能を見て、
これ、なんでこうしたんだっけ?
となることもあります。
プログラムそのものを見れば、今どうなっているかは分かります。
でも、当時なぜその判断をしたのかは別なんですよね。
その頃、お客さんから何を求められていたのか。
どんな問題が起きていたのか。
Slackで何を話していたのか。
AIと何を議論していたのか。
最終的に何を変更したのか。
こういうものが残っていると、後から当時の経緯をかなり追いやすくなります。
昔はこの辺もかなり頭に入っていたんですが、今の仕事量で全部覚えようとするのはさすがに厳しいなと思っています。
覚えるより、検索した方が早いんですよね。
ここはもう割り切ることにしました。
で、もう一つ見たいのが「俺、余計なことやってない?」なんですよね
仕事の記録を残したい理由が、もう一つあります。
たぶん経営としてはこっちもかなり重要です。
AIって、本当に色々できるんですよね。
記事も書けます。
調査もできます。
データも分析できます。
プログラムも作れます。
思いついた仕組みを、その日のうちに試すこともできます。
これ自体はめちゃくちゃ便利です。
でも、便利すぎるので別の問題が出てきます。
できるから、やっちゃうんですよね。
昔だったら、「作るの面倒だし今じゃなくていいか」で止まっていたものまで、普通に作れてしまいます。
少し気になったから直す。
面白そうだから試す。
新しいアイデアを思いついたから作る。
俺は元々いろんなことをやるので、AIが入るとこれがさらに加速するんですよね。
そうすると一週間かなり働いて、「今週めちゃくちゃ進んだな」と思っていても、本当に会社にとって重要なことを進めていたのかは別だったりします。
「めちゃくちゃ仕事した」と「経営が進んだ」は、たぶん違うんですよね
ここは最近かなり気にしています。
会社にとって今一番重要なのが、有効な問い合わせを増やすことだったとします。
その週に新しい仕組みを作って、記事を書いて、細かい不具合を10個直して、AIの改善もした。
かなり仕事はしています。
でも、
で、一番大事なやつ進んだ?
という話なんですよね。
全部意味のある仕事かもしれません。
でも、「意味がある」と「今やるべき」は別なんだと思います。
AIによって実行する力がかなり上がったので、逆に「何をやるか」を選ぶ方が難しくなってきた気がしています。
できないから諦める、という自然な制限が減ったんですよね。
だからこそ、あとから自分の仕事を見返して、「今週は何に時間を使っていたのか」「最重要課題と関係ない仕事が増えていないか」「途中で思いついて始めた仕事はどれか」を見たいと思っています。
AIには、仕事を手伝うだけじゃなくて俺の仕事も見てほしい
業務ログが溜まれば、この分析もできます。
たとえば一週間分の記録をAIに渡して、「今週の最重要課題は何だった?」「実際にやっていた仕事は何?」「そのうち最重要課題に直接つながっていたものはどれ?」「今やらなくてもよかった可能性があるものは?」みたいに見てもらう。
これは普通にやりたいんですよね。
自分では、「今週かなり仕事したな」と思っていても、AIが実際のログを見て、「でも、一番重要だと言っていた問題にはほとんど触っていません」と出すなら、それは言ってほしい。
もっと雑に、
俺、遊んでない?
くらいでもいいと思っています。
AIに仕事をさせるだけだと、俺がやりたいことを高速で実現する装置になります。
でも、それだけだと俺が間違った方向へ走ったときも高速なんですよね。
なので、実行だけじゃなくて、そもそも今それをやる必要があるのかまでチェックさせたいと思っています。
結局、日報じゃなくて「会社の記憶」を作っているんだと思う
実際に作った仕組み自体は、そんなに複雑ではありません。
開発AIが仕事を終えたら、自動でローカルの業務ログへ残す。
クラウド側の仕事は、GitHubに残った変更から追う。
日中はログをパソコンの中に貯める。
23時20分に一日分をSlackへまとめる。
23時30分にChatGPTが、GitHub、PM on Rails、Google Driveなど他の仕事の記録も合わせて、その日に何をしていたのか整理する。
今やっているのはこれです。
でも、この記録が積み上がっていくと、「あのとき何やった?」「なんでこうした?」「この数字が変わる前に何してた?」「前にも同じ問題なかった?」「最近、本当に重要な仕事してる?」みたいなことを後から聞けるようになります。
なので、日報自動化というより、会社に記憶を持たせているという方が近い気がしています。
昔は、自分の頭の中だけでもかなり追えていました。
でもAIで仕事の速度が上がって、常に複数の仕事が動くようになった今は、さすがに全部覚えておくのは無理なんですよね。
だったら、もう覚えなくていい。
会社側に残しておいて、必要になったらAIに探してもらえばいい。
そして、その記録を使って、本当に経営に必要なことだけやれているか。余計なことをしていないか。
そこまで確認できるようにしたいと思っています。
AIでできることが増えたからこそ、何でもやるんじゃなくて、何をやらないかの方が大事になってきたんだと思うんですよね。